「スタートアップ」として戦うためのマインドセット(自戒)

kudoshu_vcook(X / Instagram

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最高のプロダクトをつくり、多くの人に使われて、事業が成長して、社会を前に進める。この中で、僕たちは今「多くの人に使われる」段階、「伸ばすこと」が最近のテーマにあります。

改めて、「スタートアップとして戦うぞ」という意識を持つために、社内notionで自戒として書いたドキュメントでしたが、公開しておいた方が効果的かと思い、ほぼコピペになりますがブログにも投稿してみました。

スタートアップとしては、2年目のペーペーですので、ぜひともフィードバックなどあればいただけると幸いです。

  • 社内メンバーには「事業やプロジェクト、組織など、日々の意思決定の際に「私たちは何者か?」を思い出す”拠り所”となる」こと、
  • これからブイクックに参加いただける候補者の方にとっては、「スタートアップで働くとはどういうことか?」が伝わり、意思決定の助けになる。」こと

の2つにも役に立てばと思います。

このドキュメントを書いた背景

  • 昨年2022年9月にリリースした『ブイクックスーパー』に一定のお客様に買っていただける状態になり、「事業を運用すること」にリソースが割かれがちな現状に課題感を抱きました。
    • しかし、運用ばかりに目を向け、「成長」にリソースを割かないのであれば、静かに死にゆくだけです。
    • 事業を成長させ、社会に大きなインパクト(変化)を与えるためには、成長させるための”鍵穴”を見極め、扉を開けるための”鍵”を生み出すことが求められます。
  • そこで、改めて僕たちが選択している「スタートアップとしての戦うこと」について書き示しておきます。
    • 僕たち株式会社ブイクックは、0から1を生み出し社会を変えるスタートアップであり、「”Hello Vegan!な社会をつくる」という大きなミッションを達成するために存在します。
    • そこで働くメンバーは一人も欠けることなく、「スタートアップとして戦うためのマインドセット」を持って仕事に臨むことが求められます。
  • 一緒に社会を変えるチームのみんなに、これから一緒に未来をつくる方に届くと嬉しいです。

「スタートアップ」として戦うためのマインドセット

※各メンバーと一緒に随時追加・更新していけると嬉しい。

ブイクックは、社会を変えるために「スタートアップ」という戦い方を選択しています。

あえて「戦う」と表現しているのも、その特徴ゆえです。限られた資金で、より早く顧客や業界の課題を見極め、事業を生み出し急成長させる。時間以内にそれができなければ死ぬ(倒産する)のは、さながら戦いです。

これは、一般企業やNPO、市民団体とは大きく異なる選択であり、この一員として戦うには”常識的”な考えから脱し、「スタートアップらしく」働き、振る舞うことが求められます。

ブイクックで楽しく働くために、こんなマインドセットを持っていると良いというものを、このドキュメントにまとめておきます。

“10年後の当たり前”を描くことから始める

Do

私たちの存在意義は、10年後の当たり前をつくること、つまり”社会を前に進めること”です。

あらゆるアイデアや意思決定の起点は「未来を描くこと」から始まります。競合サービスは、過去のものであり、私たちがつくるのは10年後の未来です。

「10年後、ヴィーガン業界はどうなっているか?ヴィーガンの生活はどうなっているか?」という問いに対して具体的なイメージを持ち、今とのギャップを埋めるためのプロダクトを発明します。

今よりも一歩未来に近づける発明は、既存サービスと比較して「より良いもの(2倍)」ではなく、「異なるもの(10倍)」です。顧客にとっても、比較されずに「これ1択」で選ばれます。

Don’t

反対に、「競合他社に勝つには?」という思考は、「競合よりもメニュー数を増やそう」「競合よりも使いやすくしよう」など、”より良いもの”しか生まれにくいです。

それでは、既存の市場の取り合いう消耗戦になります。

重要なことは、競合サービス・他社事例から「今の当たり前」を学習し素早く実行し、同時に「未来の当たり前」を自ら描き、それを実現させるための一歩先の発明のアイデアを出す意識を持ち続けることです。

競合分析から機会を発見することを、商品づくりの起点としてはなりません。(中略)なにより重要なのは「競合商品は過去のもの」であるということ。これから描くのは未来です。

『商品はつくるな 市場をつくれ』より(「10年後の当たり前」を描き、それを実現させる発明(プロダクト)をつくる

やるからには「未来のインフラ」を創りたい。未来から見下ろした時に、現状をクソだと言い、ギャップを具体的に埋める作業を自分の手でやってみたい。そうじゃないですか。

未来に生き、欠けているものを創る

“ただ”急成長だけを目指す(週7%)

Do

Y Combinator創業者ポール・グレアムは、「スタートアップとは、急成長するようデザインされた企業」だと定義しています。

新しく設立された会社・高度なテクノロジーへの挑戦・資金調達などはただの特徴に過ぎず、必要不可欠なことは「急成長」だけです。(The only essential thing is growth

では、急成長ってどれくらい成長していることかと言うと、「毎週7%の成長」であり、これを1年間続けると33.7倍の成果が得られます。上の右肩上がりのグラフは、週7%成長を1年間(52週)継続したもので、僕たちが目指すべき曲線です。

事業・組織における、変数の中から、注力すべきメトリクス(評価指標)を選択し、ただ(Just)それを伸ばすことだけに集中します。

Don’t

反対に、急成長に繋がらないことはやらない判断をします。

スタートアップには、寄り道している暇はないです。限られた資金が尽きるまでに、なんとか急成長させることが求められ、それができなければ資金調達もできず死(倒産)に至ります。

定めたメトリクスを、毎週7%成長させることだけに集中します。7%成長を達成できれば、その1週間は成功であり、それ以下であれば失敗。とてもシンプルです。

スタートアップとは、急成長するようデザインされた企業のことである。新しく設立されたからといって、その会社がスタートアップになるわけではない。また、高度なテクノロジーに取り組んだり、資金調達したり、何らかの出口を持つ必要性はない。必要不可欠なのは成長だけだ(The only essential thing is growth.)。

私たちは基本的に、スタートアップに対して、達成できそうなメトリクスを選び、毎週達成するようにアドバイスしている。

ここでのキーワードは “ただ (just)“だ。週に7%で成長すると決めて、その数字を達成すれば、その週は成功だ。もう何もする必要はない。しかし、もし達成できなかったら、その週は失敗したことになる。

Startup = Growth

特に、急速に成長するように*”設計された企業”*という点が肝だなと思っています。(中略)

スタートアップは失敗する割合のほうが高く、不確実性を織り込んでいるので、ここでいう*”設計された”(原文では、「designed」)という表現は、「急成長の目標を定め、狙っていくこと」*と私自身は理解をしました

5年間で得た経営の学びを3つ紹介する – Rtakahashi.me

“とにかく早く”世に出して検証する

Do

「スタートアップには時間がない」は、どれだけ意識してもし過ぎることはない重要な事実です。限られた資金が尽きる前に、どれだけ多くの・どれだけ大きな学習を得られるかが成功の鍵となります。

そのために、仮説やアイデアを”とにかく早く”世に出して、多くの気づき・学びを誰よりも早く得ます。

社内でレビューをもらう、SNSで発信してみる、ターゲットが集まる交流会に参加する、ヒアリングの機会をもらう、MVPをリリースしてみるなど、とにかく1つでも多くの打席に立ちます。

ここから得られるフィードバックこそが、プロダクトを顧客の求めるものに昇華させ、急成長を実現させます。

Dont’s

反対に、机の上で考えていたり、パソコンに向き合っているだけでは何も進みません。

恥ずかしがっている暇も、思考を楽しんでいる余裕もない。とにかく世に出して、失敗でも成功でも良いので、「早く学習すること」こそがスタートアップでの正解です。

また、小さな実験をしている時間もないため、「これが分かれば大きな分岐点になる」ような大きな実験に大胆に取り組んでいきます。

問題を解決する方法についての、あなたのユニークで特別な考えversion.1は通常間違っており、プロダクトの立ち上げ、顧客との会話、そしてその繰り返しを通してのみ、実際にPMFに達するプロダクトを見つけられる。

良いマーケットでは、MVPがあなたを最初の顧客の元へ連れて行ってくれる。顧客と対話し、プロダクトをv2、v3、v4へ導くためのフィードバックを得られる。

小さな企業が大企業を上回っている点は、速く動き、異常に優れたサービスを提供することで問題に対処でき、そして顧客の期待が低いことだ。PMFを見つけるために、ユーザーに真の、意味のある問題を抱えているマーケットを選択し、迅速に立ち上げ、ユーザーの声に耳を傾ける。

真のPMF(翻訳)

弱さは前提。”できること”の外にも飛び込む

Do

「朝令暮改」という言葉がよく使われるとおり、スタートアップにおいて事業や業務が変わることは日常茶飯事。むしろ、新たな発見がないまま”今まで通り”を続けることの方が危険です。

そのため、特に創業期でありPMFを目指す段階のブイクックで働くメンバーは、”できること”の外に飛び込むことが求められます。例えば、昨日まで「パンの商品開発」をしていたけど、今日から「冷凍惣菜の顧客獲得」に変わったり。

この時に、新しい領域・業務において、最初からできないことは前提であり、「どうすれば、できるようになるか?」という思考で臨めると、楽しく仕事ができると思います。

弱さは前提で、業界の先輩方に相談したり本を読んだりと”先人の知恵を借り”、1回でも多くの打席に立つことで、より早く成果を上げます。

Don’t

一方で、「自分ができることをして評価されたい」という方は、ブイクックのようなPMF前のスタートアップには合わないとあえて断言しておきます。(相互に不幸にならないため)

「何をするか?」という具体的な業務に執着せず、「何のためにするか?」と目的意識を強く持ち、顧客が求めるものをつくり、事業を成長させ、社会を前に進めることに焦点を合わせることができる人が楽しく働ける場所です。

弱さは前提! 通形ミリオはもう揺れない! あの子が笑えないままなんて そんなの絶対許せない!!

通形ミリオ『僕のヒーローアカデミア』

ところで平凡な俺よ下を向いている暇はあるのか

田中 龍之介『ハイキュー!!』

つまり、今弱くても、今できなくても何も諦める必要はない。今できないことは一つひとつクリアして、できることに変えていけば良い。

こう考えるようになって、矛盾しているようだが「できないことなどない」とすら思わせてくれた。

例えば、ブイクックのUIデザインを最初はパワポで作っていたが、今はFigmaで基本的なUIデザインはできる。学生時代はコミュニケーションが苦手でチーム崩壊をたくさんしたが、今はなんとかチームでアウトプットを出せている。

「弱さは前提」 | そうは言っても工藤さん

このドキュメントへのフィードバック

最後まで読んでくださりありがとうございます。

これまでの経験から、自戒も込めて色々と書いてみましたが、まだまだスタートアップとして創業したばかりのため過不足はたくさんあると思います。

ぜひとも、読んだ感想やフィードバックを、工藤までいただけると嬉しいです。

▼Twitter

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それでは!

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✏️ 書いている人

工藤 柊 / Kudo Shu

1999年2月28日大阪生まれ。高校3年生で環境問題・動物倫理からヴィーガン生活を開始。神戸大学国際人間科学部環境共生学科に入学後、学食へヴィーガンメニュー導入、ヴィーガンカフェThallo店長など活動。学生起業しNPO法人設立後、事業拡大のため2020年4月に株式会社ブイクックを創業。夢は世界平和。趣味は恋バナと漫画・アニメ。

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