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「良い組織」とは、

NPO法人を含めると、2018年に起業してから8年が経ちます。

これまで、会費型NPOから一人会社、ITチームや飲食現場チームなど、色々な組織の形を模索し、実装し、そして失敗してきました。

これまでの組織の変遷

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まずは、これまでの組織の変遷をまとめてみます。

(長くなってしまったので、結論を読みたい方はザッと読み飛ばしてください。)

  • 2018年 会費型NPO:会員が会費を支払い、運営に関わり、生み出した製品・サービスを自ら利用するモデルを、"協同組合"を参考に実装。実際には会費合計が月10-15万円ほどで頭打ちとなり、またメンバー間での活動量の差分が次第に開いた。コミュニティマネジメントではなく、肝心のプロダクト開発に注力するために型式変更を検討。

  • 2019年 寄付×事業型NPO:次に、共感してくださるメンバーからのマンスリー寄付を残し、事業売上(レシピ本出版など)を立てるモデルに再設計。しかし、企業との取引の際、"NPO法人"という顔をしていると「え、NPOなのにお金かかるの?」という反応が多く、またコアメンバー(工藤含め3名)はほぼ無給での活動に疲弊し持続的ではないと判断し、法人格の変更を検討。

  • 2020年 一人会社:上記の課題から、株式会社化し、工藤がひとりフルタイムで働き、他メンバーは業務委託契約で各役割を担ってもらう形のチームをつくった。工藤は週3日分で他企業からwebメディア運用などの案件を受け、週4日分でブイクックの仕事をした。

  • 2021年 初フルタイムチームVCなどから外部資金を調達し、急成長を志向するスタートアップの戦い方を選択。その調達資金をもとに、初社員を3名採用。フルタイム4人のチームとして、新しい事業であるブイクックデリ(現在休止)を開発・運営を開始した。ここまでは20代前半のチームが仲良く毎日集まってやっているイメージ。

  • 2023年 スペシャリスト枠追加:さらに1.1億円の資金調達を行い、事業拡大のために、業務ごとに分けたスペシャリスト枠を追加した。ミッションフィットの可否は問わず、EC運用などの具体的な業務によって採用した。一方、危機的状況においては、当然"仕事"を目的に集まったスペシャリストは退職し、"ミッション"を目的に集まったメンバーは残った。

  • 2024年 少数精鋭PMF特化チーム:調達した資金の底が見え、事業変更を余儀なくされる。それまでのリモートワーク制度やスペシャリスト枠を廃止し、PMF(プロダクト・マーケット・フィット)とその先の黒字化に集中したチームへ。結果、VST事業の共同創業者の3名が残る。

  • 2025年 初の現場運営チームVST事業がPMFし、アルバイトスタッフの採用を開始。ブイクックとして初のアルバイト契約、初の現場運営するチームの実装が始まった。これまでの「成果主義・個人プレー」のIT企業のようなチームから、「行動主義・チームプレー」のチームへと大きく方針変更をした。

"良い組織"とは何か

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つまり、"良い組織"とは、事業成長を生み出し、事業成長によってミッションを達成させる集団です。

具体的に言うと、「誰もがヴィーガンを選択できる"Hello Vegan!"な社会をつくる」というミッションの達成に向けて、「VST事業」を成長させる組織が良い組織である、と定義できます。

"良い組織"とは何でないか

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一方で、"良い組織"とは何でないのでしょうか。

「これまでの組織の変遷」で書いた、2023年以前に僕が作ってきた組織は全て"良い組織"ではなかったです。

なぜなら、「事業成長」を生み出さなかったからです。

しかし、内外から"良い組織"のように見えていたかもしれません。当時、僕自身も一生懸命に良い組織を"つくろう"としていました。

社会保険や納税などもきちんとしていたし、リモートワーク制度も設け、メンバーも社会的な意義も感じていただろうし、新しい事業をつくることにワクワクもしていたと思います。オフィスは渋谷に設けて、キッチンでお昼を作ったり、ヨギボーやソファを置いて休憩できるようにもしていました。

それでも、事業は成長しなかった。

事業が成長しないと、もちろん資金は底をつき、結果として全員仕事を失います。

実際に、2024年1月の倒産の危機に際し、メンバー全員がこれまで通りに仕事を続けることは難しく、半分以上のメンバーが去りました。

僕がやるべきだったのは、「事業成長させる要素」に集中することでした。表面的に良さそうなことに時間を使うべきじゃなかったと反省しています。

組織の"良さ"は、市場に規定される

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では、事業成長を生み出す"良い組織"とは、どんな組織でしょうか。

一昔前に流行ったティール型組織なのか、それとも成果主義のゴリゴリ営業集団なのか、はたまたプロジェクトごとに集まるギルド型の組織なのか。

「組織の"良さ"は、事業に規定される」というのが回答かなと思います。

営業代行の事業を営む会社であれば、成果主義のゴリゴリ営業集団で事業成長を生み出していれば"良い組織"であり、明確に区切れる案件が安定供給されない場合は都度業務委託契約するギルド型が"良い組織"と言えると思います。

もっと言えば、組織の"良さ"は市場に規定されます。なぜなら、事業の成長は市場に規定されるからです。

需要が増加している市場において、お客様が求める製品を提供する事業は成長します。一方で、誰も求めていない製品をつくっても、その事業は成長どころか黒字にすらならないでしょう。

そのため、組織デザインの際は、市場から逆算するべきだと考えています。

VST事業における"良い組織"

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最後に、現時点で僕の考えるVST事業における"良い組織"を書いて、パソコンを閉じて入眠したいと思います。

まずは市場から逆算していきます。僕たちが挑んでいるのは「ヴィーガン×すし×グローバル」の市場です。

特にヴィーガン市場は黎明期であり、人間で言えば赤ちゃんです。チャンスであると同時に、先行した成功事例がないために、暗闇の中を手探りで進む困難な道のりでもあります。

しかしこれは、"ヴィーガン"という事業領域を選択した時点で、避けては通れない道です。よって、この市場から組織を逆算的にデザインする必要があります。

黎明期の市場を「暗闇の中で手探りで進む」と表現しましたが、つまり「暗闇の中で手探りでゴールに辿り着く」のが良い組織です。

具体的には、「インサイトドリブン」と「日々改善」が特に大きな鍵だと認識しています。

インサイトドリブン

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これは、暗闇の中を探索する中で「インサイト」こそが唯一の道標となります。僕たちは、お客様などから得られた「インサイトからはじめる」ことを徹底しています。

ただの"良さそう"な施策を実行したり、妄想のターゲット像からアイデアを出したりはしません。

実際に、2024年5月のVegan Sushi Tokyoのオープンにあたり、約100名の外国人観光客にヒアリングにご協力いただきました。そこで得たインサイトから事業開発をはじめた結果、調査開始から3ヶ月でオープンにいたりました。

ここまでの速度でオープンできたのは、インサイトがあったからこそ、本当に求められている商品・接客・内装・価格・デザインなどに絞って時間を使うことができたからです。言い換えれば、求められていないものに時間を使わなかったからです。

📝当時の3ヶ月の詳細:『INSIGHT DRIVEN(インサイトからはじめよ)

成長途上の市場において、インサイトドリブンな組織をつくらなければ、一時的に成長できた事業も、すぐに市場の変化に取り残され、新興企業に置き換えられてしまいます。

よって、「より早くインサイトを集め、インサイトからはじめられる組織」が、VST事業における"良いチーム"の重要な要素です。

日々改善

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インサイトを元に、店舗をオープンできたら十分かといえば、もちろんNOです。

日々の営業の中で、お客様からの感想やレビュー、スタッフからの声など、多くのインサイトが集まってきます。これを元に、日々改善することが重要です。

営業中、改善のヒントはいたるところに溢れています。お客様の食事中の表情、ご質問はもちろん、スタッフの良い動きとやりづらそうな表情など、改善のタネは顔を上げれば見つけることができます。

良い組織は、改善のタネを見つけて共有します。当然、チームは改善のタネを出した人を称賛します。そして、改善点の優先順位を付け、チームで日々改善します。

決して、改善のタネを見て見ぬふりはせず、共有した際に面倒な顔をせず、"これまで通り"からの変化に消極的ではないです。なぜなら、成長途上のヴィーガン市場において「改善しないこと」は衰退であり、閉店のお知らせへの第一歩となるからです。

改めて、VSTにおける良い組織とは、1日単位で改善のタネを拾い上げ、改善を実行する集団であることも必要要件です。

"良い組織"は変化する

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ここまで読んでくださった方が理解する通り、"良い組織"の状態は市場や事業のフェーズによって変化するものです。よって、上記の現時点の"良い組織"の要素もまた、3年後には全く違うものになっているかもしれません。

逆説的に、「良しとする方向を変化させられる組織」もまた"良い組織"の重要な要素だと考えます。

傍から見れば、言ってることがコロコロ変わっている、一貫性がない、などと思われるかもしれません。しかし、市場や事業フェーズは変化し続けます。これに応じて「変化する」ことも、ある種の一貫性です。

これからも、ミッション達成を最終目的とし、常に状況に応じた最善を模索し変化していく、そんな"良い組織"をつくっていきたいものです。


※ブログ上で分かりやすく表現するために、良い組織は「事業成長」を生み出す、としていますが、実際に一定規模の事業を安定的に運営する組織が良い場合もあると思います。僕たちがスタートアップとして"急成長"を志向しているがゆえの表現であると理解いただけると幸いです。

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