“習慣”を観て、その延長線上にプロダクトを置く

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ご無沙汰しています。ブイクックの工藤です。

ブイクックで運営するpodcast「ブイクックラジオ」を楽しく更新している中で話題に上がった「習慣」について、面白い気づきがあったので記録しておきたいと思います。

“エシカルが買う理由になるのか?”

先日公開した、エシカルな暮らしを運営する株式会社Gab CEO山内萌斗くん(@moetoction)をゲストに招いた回にて、僕が「エシカルが買う理由になるのか?」という質問したことから始まりました。

詳細については、ぜひ聞いてみて欲しいですが、簡単にまとめると以下のような話でした。

・店舗にくるきっかけにはなるが、「エシカル」は買う理由にはならない。
・店舗で商品を見るときは、かわいさ・機能性・値段など、「これまでの習慣(価値観)」が購入理由になる。
・一方、エシカルアイテムは比較的高価格なものが多いが、それを納得する要素として「エシカルだから」という理由付けになる。

ちょうど収録日前日に、あるきっかけがあり「習慣」について考えていたため、萌斗くんの話はとても勉強になりました。

逆らい難い”習慣”という名の慣性

“習慣”は、これまでの人生で積み重ねてきた思考/行動から成るため、逆らうことは難しく、今まで通りをキープする方向に力が働く”慣性”のようなものです。
(心理学的な用語があった気がするけど忘れてしまった…)

一方で、例えば「エシカルな商品を買うようにしたい」「ヴィーガン生活を始めたい」など、素晴らしい変化を望む意思がるのも人間です。

つまり、「変わりたい」という”意思”と「今まで通りでいたい」という”習慣”を同時に持ち合わせるため、「今まで通りのまま変わりたい」というのが本心だったりするわけです。

プロダクトづくりおいて、この”本心”はインサイトと呼ばれるものの1つで、発見できると「おおお!見つけた!」とテンションが上がります。この発見から、良い機能追加や大幅なアップデートをすることが、特にPMF前の僕たちには求められます。

以前読んだ『タテマエメソッド』にも、同じようなことが書いていた気がします。

https://medium.com/titech-eng-and-design/d-school%E3%81%AE%E3%83%87%E3%82%B6%E3%82%A4%E3%83%B3%E6%80%9D%E8%80%83%E3%81%AB-pov-madlib-%E3%81%A8%E3%81%84%E3%81%86%E3%83%84%E3%83%BC%E3%83%AB%E3%81%8C%E3%81%82%E3%82%8A%E3%81%BE%E3%81%99-66a9b4dce443

“代替肉を食べるって、結局は肉食べたいんでしょ?”

ブイクックデリの『大豆ミートの黒酢豚風』

ヴィーガン生活をしていると、大豆ミートなどの代替肉を食べることはよくあります。そんな写真をSNSにあげると、たまにこんなリプが飛んできます。

「肉っぽいものを食べるということは、結局は肉が食べたいんでしょ?」

この類のリプには、時間があれば丁寧に返信していたのですが、”習慣”という観点から見ると、この無意味な煽りも本質的な問いだとさえ感じます。

つまり、「ヴィーガンへの変化」を目指しても、それ以前の「肉を食べていた習慣」を変えたくはない本音が見えてきます。できれば、あの味・あの匂い・あの見た目の食べ物を食べ続けたいのです。

そういう意味では、”代替肉”という命名は的を得た表現なのかもしれません。「これまでの習慣通りお肉(のような食品)を食べたい」という習慣と、「ヴィーガン的には動物性は避けたい」という意志のギャップを埋めるための、まさに既存の肉を”代替”するものと捉えられます。

(代替ではなく、1つのお肉として浸透させることをコンセプトとしている食品メーカーでは、植物肉などの表現が使われています。)

また、最近出会った他の事例もメモしておきます。

  • 実家の食卓には3品以上出ていたから、一人暮らしを始めてから1品だけだとなんだか寂しい
  • デザイン性や機能性で買い物をしてきたから、エシカル商品もそういう基準で購入を決定する
  • 今まで通りお腹いっぱい食べたいけれど、どうにかして痩せたい

どんな大発明も、”習慣”を無視しては普及しない

また、どんな大発見も習慣を無視しては普及しないのではとも考えられます。

例えば、ガラケーからiPhoneに変わってもキーボードのデザインはそのままだったり、chatGPTのインターフェースがLINEなどのメッセージアプリにそっくりだったり。普及した大発明の1歩目は、人々の”習慣”を観察して得た、深いインサイトの上にあるように思えます。

“習慣”を観て、インサイトを。

つまり、スタートアップとして社会に大きな変化を与えるプロダクトをつくるために、”習慣”を見逃す訳にはいかないです。「ヴィーガン以前はどんな生活だったか?」「どんな価値基準だったか?」など、顧客の”習慣”を注意深く観察し、深いインサイトを得ることが求められます。

そして、顧客がありたい姿/実現したい未来を描き、今の習慣の延長線上にプロダクトを”置く”ような感覚を持ちたい。

これは以前に書いた、『「10年後の当たり前」を描き、それを実現させる発明(プロダクト)をつくる』に通ずるものがあり、より理解が深まりました。(嬉しい)

分かりやすく図解するなら、今までの習慣で進んでいく方向から、まずは1°だけ方向を変えるようなものかと思います。

次の世代の習慣(当たり前)は変わる

一方、大人(24歳)になった僕の習慣と、今の小学生が大人になった頃の習慣(当たり前)は違っているはずです。大阪の庶民として育った僕は”値段”を重視する傾向にありますが、道徳の授業にSDGsの観点が組み込まれた将来世代は”社会への負荷”をより重視すると想像できます。

最初の「エシカルは買う理由になるのか?」という問いに戻ると、「今はならないが、将来世代はなるかもしれない」と、”習慣”の変化を見逃さずに事業をつくっていきたいと思います。(自戒)

最後に:一緒にヴィーガン業界を前進させる仲間を募集しています!

最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

この記事を読んで「面白そう!」と感じてくれた方は、一緒に楽しく働けるであろう希少な人種なので、ぜひとも一度ラフにお話しできると嬉しいです!

日本でヴィーガンに関心がある人も増加し続ける中、まだまだ環境が未整備である課題を解決し、ヴィーガン生活を支えるプロダクトを一緒につくっていく仲間を募集しています。

少しでも興味を持ってくださった方がいれば、まずはカジュアルにお話しできると嬉しいです🙆‍♂️

▶︎ 採用情報|株式会社ブイクック
▶︎ カジュアル面談申し込みフォーム

それでは!

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✏️ 書いている人

工藤 柊 / Kudo Shu

1999年2月28日大阪生まれ。高校3年生で環境問題・動物倫理からヴィーガン生活を開始。神戸大学国際人間科学部環境共生学科に入学後、学食へヴィーガンメニュー導入、ヴィーガンカフェThallo店長など活動。学生起業しNPO法人設立後、事業拡大のため2020年4月に株式会社ブイクックを創業。夢は世界平和。趣味は恋バナと漫画・アニメ。

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