高校生から6年間のヴィーガン生活で起こった6つの変化。

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人生とは早いもので、僕が「ヴィーガン」と出会い、そして実践し始めてから、早くも6年が経ちました。

6年って、すごく長い。小学校であれば卒業してます。ドキドキの中学生。二次関数とか習い始める頃です。部活を始めて他校と練習試合をやったりしちゃいます。

さて、言うなれば”ヴィーガン小学校”を卒業したわけですが、今日は6年間を振り返り「ヴィーガン生活を始めて何が変わったか?」について書いていこうと思います。

最近ヴィーガン生活を始めた人や、ちょっと興味ある人に読んでもらえると嬉しいです。

(ちなみに、ヴィーガンを始めたきっかけはこちらから 👉 僕がヴィーガンな理由ときっかけ

①優しい友人たちのおかげで、「世の中捨てたもんじゃない」と思えるようになった

最大の変化は、優しい友人がたくさん増えたことです。

中学生の頃から、ひねくれた奴だったと思います。流行りの映画は見ないし、人と違うことをするのがカッコいいと勘違いをしていた。高校生の頃の担任には「君は斜に構えすぎだね」と三者面談で言われたことを覚えてます。(『斜に構える』って言葉かっこいいな…!)と心の中で思っていたことも。

中3の頃から、夢を聞かれれば「世界平和」だと答えていました。最初はふざけて言っていたかもしれないけど、言葉にして口に出していると、本当にそれが理想だと思うようになりました。

高2の誕生日に、書道部の友達に書いてもらった色紙。(かっこいい)

同時に、自分が生きている、この「平和ではない世界」に絶望し、そしてその世界を構築する”人間”に失望していました。

「みんなで仲良く」と教えていた大人たちは、なぜ戦争をして傷つけ合っているのか?なぜ将来の子どもたちに皺寄せがいくことを考えず、エアコンをガンガンにかけるのか?なぜマングローブ林を伐採して現地の生態系と村を壊してまで、エビを養殖して食べるのか?と、周囲の人やテレビの中の人たちの言動がとても不可思議で、嫌なものに感じていました。

ただ、本当は人のことが大好きでした。困っていたら本気で心配して手を差し伸べてくれた友人も、僕の幸せを願ってくれる家族も、真剣に叱ってくれる先生のことも大好きでした。

だからこそ、反動は大きく「本当は優しいのに、なんでそんなことをするんだ」と、”人間”に失望し、嫌悪しかけていました。

高校生の修学旅行の種子島。

前置きが長くなったけど、ヴィーガン生活や活動を通して出会った人たちのおかげで、その「失望」が大きく覆りました。

僕が知らなかっただけで、世の中には他者を思って行動できる人や、この世界を良くしようとする人がたくさんいることを知りました。それは、ある種の孤独からの開放であり、もう一度「世の中捨てたもんじゃない」と希望を持てるようになった6年間でした。

本気で、戦争もなく、気候危機もなく、差別もない世界を目指す人たちと出会うことができて、友人になることができてとても幸せ者です。

(いつもありがとうございます!!!!!!)

②人生で始めての孤独と、理解される喜びを知った。

2つめは、人生で始めて孤独を感じたこと、それゆえに理解される喜びを知ることができたことです。

高校3年生の時にヴィーガン生活を始めて、もちろん家族にも友人にも同じライフスタイルの人はおらず、自分の価値観を理解してくれたり、認めてくれたりする人はいないと思っていました。

それまで、マジョリティとして不自由なく生きてきた僕にとって、これが人生で始めて感じた孤独でした。(ナルトはこんな気持ちだったんだな…)

大学生の頃の工藤。神戸の農家さんのお手伝いをして、採れたてナッスを食べてから一番好きな野菜になる。

そして同時に、これまで当たり前だと思っていた「理解されること」「認められること」の喜びを知りました。

一つ、ヴィーガンを始めて最初のバレンタインのエピソードを紹介します。

それまでのバレンタインとは違い、学校ではチョコを交換する友達と、その輪に入れない自分に孤独を感じていました。(その時はふざけて笑っていましたが、思い返せば孤独だったなぁと。)

その後、学校から帰って受験勉強をしていると、叔母が訪ねてきてくれました。叔母の手には、なんとヴィーガンチーズケーキが!僕のことを思って、ヴィーガンレシピを調べて作ってくれていたのです…。なんと優しい。

イメージはこういうチーズケーキ(ブイクック yuさんのレシピより

そして、一緒に渡してくれたメッセージカードを読んで、人生で初めて声を出して泣きました。

手紙の最後に「ヴィーガンの選択を尊敬する」という旨が書かれていて、ヴィーガンを選択している自分のことを初めて理解され、認められ、受け入れられたと感じた瞬間でした。

それまでは当たり前になっていた、理解されること・認められることは、すごく特別なことだったんだと気づかせてくれました。大感謝です。

③起業して、良い仲間ができた

長くなってきたので、テキパキ進めていきます。

次の変化しては、「起業したこと」があります。大学2年生でNPO法人を設立し、4年生で株式会社ブイクックを立ち上げました。

NPO法人の設立総会(2019年)

「ヴィーガン」というテーマで起業したことは、本当に貴重な体験でした。(今も継続中)

もともと、このブログやSNSでの発信、大学食堂へのメニュー導入などの活動を、ほぼ一人でやってきた僕にとって「同じ想いを持つ仲間と一緒に活動すること」は、希望的でした。

それまで「一人でやっても与えられる変化は少ない…」と全ての活動を辞めてしまおうと思うこともありましたが、「同じ想いを持つ仲間がいるなら、大きなコトを成せるかもしれない」と未来に期待できるようになりました。

もちろん仲間ができたということは、その分の別れもありましたが、関わってくれた全ての人に心から感謝しています。

④「ヴィーガン」としてメディアに出るようになった

まだまだヴィーガンやベジタリアンが少ない日本では、ヴィーガンであり学生起業している存在は稀で、メディアで「ヴィーガン」の代表として話すようになりました。

数年前まで高校生、大学生をやっていた人間を呼んでいただけてありがたいし、メディア出演や登壇をするほど、自分のことをより客観的に見られるようになる感覚があります。

自分を磨ける機会をいただけて感謝!

⑤「マジョリティからの無意識の差別って、これか」という気づき

特にメディアに出るようになってから、マジョリティからの無意識の差別を受けることが増えました。

ヴィーガンを始めるまでは、極貧なわけではなかったし、日本国籍日本育ちだったし、性自認も男性で異性愛者だったので、何も気にせずに生きられるマジョリティ側にいたわけです。

ただ、ヴィーガンを選択した瞬間、少数派の痛みを感じることになります。”大多数”という安全圏から攻撃してくる人がいたり、”全体最適”によって外食では食べられるものがなかったり、スーパーで買えるものは少なかったり。

ABEMA PRIMEという番組では、「若いと美味しいものに出会っていないから」という言葉もあったり…笑

この番組でだけこういうことがあるわけではなく、普段の交流会や取引先との関わりの中で、当人は無意識的だけど”マジョリティ”という安全な立場だからこそ言える発言がたくさんあります。

ストレス溜まってキツいこともありますが、その分マイノリティの気持ちが少し理解できた気がして、優しくなれたとも思えます。

⑥料理ができるようになった!

最後に、料理ができるようになりました。

僕にとっては大きな変化で、ヴィーガンを始める前に比べて作れる料理がすごく増えました。

最近は、ダルカレーを作れるようになるべく研究中です。

料理するのって意外と楽しくて、1つの料理も繰り返すほどに上手になっていくので、おすすめです。

さいごに:”ヴィーガン”は特別ではない

6年間を振り返って見えると、人格的にも生活的にも仕事的にも、色々な変化がありした。

この6年間で多くの選択をしてきましたが、その中心には「ヴィーガン」があり、そのおかげで人生を加速させられました。

「ヴィーガン」は、僕の人生の中で、最も良い選択の一つだったと感じています。

ただ、良くも悪くもこれまでの6年間は「ヴィーガン」という理由で特別扱いしていただいてきましたが、次の6年は「ヴィーガンは特別ではない」と伝えていきたいと思っています。

僕の中でのヴィーガンの認識は、社会を前に進めるための消費活動の一つであり、価値観を実践する一つの方法だと思っています。フェアトレード商品を買ったり、タンブラーを持ち歩いたり、もしくは大切な人にプレゼントを贈ることと同じようなものだと思います。

次の1年も、色々な場所で色々な人と話す機会が増えると思うので、「特別ではない行動である」と伝えていきたいなと思います。

さて、今日からヴィーガン生活7年目が始まります!この1年は社会にさらに大きなインパクトを与えられるよう、頑張りたいと思います💪

最後まで読んでくださり、ありがとうございました!!

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✏️ 書いている人

工藤 柊 / Kudo Shu

1999年2月28日大阪生まれ。高校3年生で環境問題・動物倫理からヴィーガン生活を開始。神戸大学国際人間科学部環境共生学科に入学後、学食へヴィーガンメニュー導入、ヴィーガンカフェThallo店長など活動。学生起業しNPO法人設立後、事業拡大のため2020年4月に株式会社ブイクックを創業。夢は世界平和。趣味は恋バナと漫画・アニメ。

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