【ぺちゃんこの猫】僕がヴィーガンになった理由。
こんにちは、工藤(@itllbedark)です。
今日(2017年11月現在)でヴィーガンというライフスタイルを始めて一年経ちました。
一年間もお肉も牛乳も卵も食べないなんて、最初は想像も出来なかったなぁと、今になって思います笑
と、いうことでちょうど一年前のきっかけをお話したいと思います。
Vegan
肉類、魚介類の他、卵や乳製品などの動物性食品を一切食べなかったり、革製品などの食以外でも動物性の消費をしないライフスタイル
動画でも撮影しているので、文章より映像派の方はこちらをどうぞ。
Youtube「僕がヴィーガンの理由」
普通の受験生活
ちょうど一年前、2016年11月1日。
その日、生きることの本当の意味を知り、日々の生活や世界の見え方が一変しました。
それまで普通に見ていたもの、食べていたもの、感じていたこと、全てが違う表情を見せ始めます。
これは工藤史に残る重要な分岐点となりました。
西暦2016年11月1日。
近畿大学の付属高校の三年生であった工藤は、受験生としてセンター試験を2ヶ月先に控えていました。
この日の朝も、自転車で40分かけて、授業や自習の為に学校へ向かっていました。
学校が終わり、仲の良い友人たちと図書館へ向かいます。
図書館の近くにある唐揚げ屋さんで晩ご飯に唐揚げ丼を食べ、それから10時まで問題を解き続けました。
この時から神戸大学を目指し、大学では環境のことを学びたいと考えていました。
人間のせいで汚されていく地球に問題意識を抱き、せめて自分が与えている害を知らなければならないと、漠然と考えていました。
ここまでは、高校三年生の工藤のいつも通りの日常でした。
ぺちゃんこの猫
いつものように自転車で、いつもの道を帰っていました。
交通量の多い道、舗装が甘い歩道の先に、”何か”を見つけた。
自転車を進め、その正体がわかりました。
ぺちゃんこの猫の死体だった。
その猫は車に何度も何度も轢かれていました。
「ぺちゃんこ」とはこのことだと思った。
腸や脳は飛び出し、頭がどこかもわからない。
周辺に血が飛び散っていました。
鼓動が高まり、深呼吸を繰り返すが、過呼吸状態になり、
どうすることも出来ず、タオルだけをかけて手を合わせて自転車に乗った。
普段なら(形があれば)、死体を道の隅にやり、保健所に電話をしていましたが、なんせあの子は”ぺちゃんこ”だった。
家に向かいながら、想像が膨らんでしまいます。
家族と日向ぼっこをしながら、あくびをする姿
通りすがった人に、餌をもらって寄ってくる姿
そんな風に過ごして居たかもしれない猫が、車に跳ねられて、体に激痛が走る。
そして、何度も何度も体を地面に押し付けられ、苦痛の中で命を失う。
更に、何度も何度もタイヤが体を伸ばしていく。
声を抑えられずに泣きながら、色んな言葉が頭に浮かんできました。
「運転手はなぜ猫が飛び出した時、ブレーキを踏めなかったのか」
「通行人はなぜこんな姿になるまで放っていたのか」
「何のための命だったのか」
無意味に他者へ苦しみを与える人間への怒りや憎しみが膨らんでいく感覚。
これが、工藤にとって
“人間が世界(他者)に害を与えているのを目の当たりにした”
初めての経験でした。
涙が止まらないまま、家についてすぐに自分の部屋へ向かい
パソコンを開いてキーボードを叩きました。
「猫 車に轢かれ 死亡」と。
どれだけの多くの猫が殺されているのかを知りました。
続いて、何十万という数の猫や犬などのペットが人間の都合で保健所で殺されていることを知りました。
「なんで人間はこんなに自分勝手なんだ」
ここでもう怒りや憎しみは最高潮。
人間であることがすごく恥ずかしい程でした。
しかし、その外部へ向いた怒りや憎しみが
次のワンクリックで、自分自身に押し寄せます。
世界には、14.7億頭の牛や9.9億の豚、213.1億の鶏が家畜として存在し
生まされ、肥やされ、殺されることを知ってしまいました。
一気に膨れ上がった負の感情が、すごいスピードで自分に向かって帰ってきた。
「なんでお前はそんなに自分勝手なんだ?」
晩御飯に唐揚げ丼を食べ、普段からラーメンや焼肉を好んで食べてきた自分を、自分の言葉がグサグサとえぐった。
人間に殺されているのは犬や猫だけではなく、豚や牛などの家畜もだ、と。
そして生きることの本当の意味に気がついた。
生きることは殺すことだ
他の命を奪って、自分たちは生きている。
スーパーに行けばなんでも揃っている社会で17年間生きてきた高校生の工藤には、世界に対する革新的な学びであり、誰かを殺さないといけないという絶望でした。
そして一つの動画に出会った。
この動画を見て、それまでの、社会が作ったシステムの中で無意識に殺して生きてきたことを強く悔いました。
これからは、せめて愛せる範囲の他者のために、自分が出来る程度のことはしよう。
もうあの猫のような存在を生みたくない。
そう思いながら、目を腫らして床に着きました。
ヴィーガンになって一年
そして工藤は、次の日の朝
「今日から肉とか卵とか牛乳食べへんわ」
と母に宣言し、ヴィーガンを実践し始めました。
それから、畜産業が問題意識を持っていた環境問題に繋がっていることを知ったり、実際に養豚場や養鶏場を訪問して、ヴィーガンを実践していくことに自分の中で納得し、1年間続けることになりました。(2017年11月現在)
以上が、工藤がヴィーガンを始めるきっかけとなった「ぺちゃんこの猫」のお話でした。
長々と書きましたが、何かが伝われば嬉しいです。
現在(2020年4月)は、NPO法人日本ヴィーガンコミュニティや株式会社ブイクックを設立し、活動しています。
ヴィーガンに興味を持った方がいらっしゃれば、ヴィーガンレシピ投稿サイト「ブイクック」を参考にしてみてください!
最後までご覧いただきありがとうございました。