僕がヴィーガンな理由ときっかけ

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「なんでヴィーガンなの?」

ヴィーガンを2016年から続けている中で、最も多くいただく質問の一つがこれです。

ヴィーガンとは?
ヴィーガンとは、日本語では完全菜食主義者と訳されたり、もう少し思想よりの言い方では脱動物搾取主義者などとも言われます。要は、動物性の食品をはじめ、ファッションやコスメなどに関しても動物性素材や利用を行っている商品の消費を避けるという考えやライフスタイルです。

世界中で増加中のヴィーガンですが、その理由は人それぞれです。大きくは4つに分かれます。

1. 動物倫理
2. 環境問題
3. 健康意識
4. 宗教

僕自身が、当てはまるのはこのうち1と2。動物愛護と環境問題への思いからヴィーガンをから続けてきました。

そのきっかけは少しショッキングな出来事でした。そして、それからヴィーガン生活を続けているうちに、その理由も少しずつ変わりつつあります。

今日はそんなお話です。

きっかけは一匹の猫

猫 道路横断 

2016年、当時高校3年生だった僕は受験勉強に明け暮れていました。社会問題に漠然とした興味があり、その中でも特に環境問題を学びたいという思いから神戸大学を志望します。(退学した…)

なぜ環境問題に関心があったかというと、「自分の住む日本のような先進国の経済活動によって、いわゆる途上国がしわ寄せを受けていること」が嫌だったのです。今思えば、それは環境問題に限った話ではないですが、生まれた国や家庭によって格差が生じる不条理を許せずにいました。

そんなことを考えていた高校生3年生の秋、ある出来事がきっかけでヴィーガンを始めることとなります。それは、何度も車に轢かれてぺちゃんこになった猫を目の当たりにしたという、ショッキングな出来事でした。

学校からの帰り道、暗い道路の隅にいたその猫は、すぐそこまで近付かないと猫だとわからないほどでした。

僕は「どうして、こんな姿になるまで誰も助けてあげなかったんだ」「どうしてドライバーはもっと注意して運転しなかったんだ」と怒りと、つい数時間前まで日向ぼっこをしていたであろう猫を想像して悲しみで涙が止まらなくなりました。それはもう、人類を憎むほどに。

場所を移してあげることすらできないため、持ち合わせていたタオルをかけ手を合わせた後、泣きながら自転車をこぎ直しました。(翌朝に、学校に遅刻しながらも保健所に連絡をしました…)

そして、家についてからすぐにパソコンに向かい、どれだけの猫が毎年事故にあっているかを調べはじめます。

不条理の原因は自分だった

画像2

調べていくと、保健所の犬や猫の殺処分のデータに行き着きました。2016年の時点では約7万匹の猫が殺処分されていて、犬を飼っている僕としては、これも許しがたいものでした。

ただ、最もショックを受けたのは、次のデータです。畜産動物である豚が1日あたり約5,6万頭が殺されているというもの。年間にすると、保健所の犬や猫とは桁違いの数字でした。

この時、この世界にある不条理は、それまで考えていた人と人同士のものだけではなく、人と動物の間にもあると痛感しました。ただ家畜動物に生まれただけでどう生き、そしてどう死ぬのかが決まっているという不条理です。

同時に、その不条理を生み出しているのが自分自身であることを理解しました。一消費者として17年間、その(不条理の)生産に貢献していたことが嫌になり、しかしその過去は変えられないことに絶望しました。

ヴィーガンというライフスタイル

パソコン・まっく

そんな時に出会ったのが、ヴィーガンというライフスタイルでした。Youtubeで偶然見つけた、世界で一番重要なスピーチ(ゲイリー・ヨーロフスキー)という動画を見て、自分の抱いた違和感を言葉にしてくれる感覚を得ました。
(※活動家の男性が大学の講義で話している動画です。)

この動画の中でも触れられているように、資本家と労働者、男性と女性、白人と黒人など、人間同士の差別や搾取と同様に、人間と動物の間にもそれが存在することを認識したのです。

その次の日の朝から、母に「今日から肉とか魚とかの動物性のものを食べへんようにするわ」と宣言し、ヴィーガン生活は始まりました。当初は自分でも考えを整理できておらず、その背景を話せなかったにも関わらず、それでも「わかった」と受け入れてくれた母には感謝しています。

ただし、最初に何を食べていいのかわからず、3週間ほどおにぎりと水炊きの生活を送っていました。(今では笑い話です笑)

ヴィーガンを続ける理由

工藤 ガン見 料理

それから大学に入学したり、ヴィーガンカフェの店長をしたり、NPO法人や株式会社を設立するなど、既に5年半(2022年時点)が経とうとしています。

この間、ヴィーガンを続ける理由は変化(というか増加)してきました。現在は、動物に対する不条理に加えて、環境問題もヴィーガンを続ける理由の大きな一つです。

牛のゲップ=メタンガスが地球温暖化の原因になっているという話を聞いたことがある人は多いと思います。産業革命以降に発展した工場制畜産は、地球温暖化の他にも森林伐採や海洋汚染など、多くの問題の原因です。

活動を続ける中で、講演会に参加してくれる中学生やもうすぐ2歳になるお子さんなど、若い世代と関わることも増えました。

その度に「この子たちに、少しでもマシな世界を残してあげたい」と思います。春には桜を見て、夏には海で遊び、秋は紅葉を楽しみ、冬は雪に心が躍るような、そんな今の当たり前を少しでも残せればと。

そして、まだ生まれていない将来世代のためにも、まずは自分ができることからということで、ヴィーガンの選択をしています。もちろん自分もあと80年くらい生きるとしたら、環境問題は他人事ではない。

そんな風に、考え方や視点が変わり・増えながらもヴィーガンを5年半ほど続けてきました。

ヴィーガンを”できる”選択にする

ブイクック

「一人でやっても無駄。」
そんな言葉も、よく聞く言葉です。活動をしている人なら、誰もが言われたことがあるのではないでしょうか。

この意見には、全くもって同意です。
一人でやっていては無駄だからこそ、一人でも多くの人にヴィーガンな選択をしてほしいと思っています。

ただし、今の日本の現状ではヴィーガンを100%選択するのはまだまだ難しい。だからこそ、できる範囲で取り組んでほしいと思っています。例えば、週に1回や自炊だけなど。

僕は、今難しい範囲にあるヴィーガンの選択を”できる”環境を作るために活動しています。

例えば、ヴィーガンレシピ数5,000件を超えたヴィーガンレシピ投稿サイト「ブイクック」もその一つです。

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https://vcook.jp/

そして、2021年10月に新しく「ブイクックモール」というヴィーガン商品の通販サイトです。

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https://vcookmall.jp/

1,000以上あるヴィーガン商品から、好きなものを見つけて購入することができます。ハンバーガーやラーメンから、ドーナツやケーキまで。

想いを持って取り組む全国の出店者のつくるヴィーガン商品を楽しんでいただけると嬉しいです。

できることから

最後になりますが、この記事を読んでくださった方の中には、色々な理由でヴィーガンを選びたい人、そして色々な理由でヴィーガンを選べない人がいると思います。

僕が大切にしているのは、まずはできることから、という考えです。無理せずに、自分の幸福も大切にしながらできる範囲で選択していってほしいです。

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✏️ 書いている人

工藤 柊 / Kudo Shu

1999年2月28日大阪生まれ。高校3年生で環境問題・動物倫理からヴィーガン生活を開始。神戸大学国際人間科学部環境共生学科に入学後、学食へヴィーガンメニュー導入、ヴィーガンカフェThallo店長など活動。学生起業しNPO法人設立後、事業拡大のため2020年4月に株式会社ブイクックを創業。夢は世界平和。趣味は恋バナと漫画・アニメ。

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