「なぜ拡大させるのか?」スモールビジネスではなく、スタートアップを選択した理由

kudoshu_vcook(X / Instagram

Let’s share!

「なぜグロース(拡大)させるの?」「お金を稼ぐことは好きですか?」など、投資家とコミュニケーションを取る中で、この質問をいただくことが多くあります。

起業家に対してこの質問を投げかけられるのは不思議かもしれませんが、その背景/意図も付け加えるとこういう質問だと解釈しています。

  • 自分や小規模なスタッフを養える中小企業ではなく、なぜ急成長を求められるスタートアップを選択するのか?
  • 社会課題が起点で起業したのであれば、なぜ拡大する必要があるのか?

この記事では、この「なぜ拡大させるのか?」という問いに対する回答を書き記し、未来のブイクックメンバーや社会起業家の背中を少しでも押すことができればと思います。

スモールビジネスとスタートアップについて

はじめに、スタートアップ界隈でよく比較される「スモールビジネス」と「スタートアップ」についてです。

これについては、他の先人方が十分に書き記してくださっているので、簡単にここで紹介しておきます。(一概に「こうです」と言えるものでもないですが、この記事では以下のように定義して進めていきます。)

スモールビジネス

  • 既存市場に対して、事業を起こす
  • 一定の安定した成長曲線を描いて成長する
  • 自己資金や借入で事業を開始する
  • エグジット(M&A/IPO)を目指す必要はない

スタートアップ

  • 今はない/成長途上の市場であることが多い
  • “Jカーブ”の成長曲線を描いて、急成長する
  • 初期赤字を掘るためVC等から出資を受ける
  • エグジット(M&A/IPO)を目指す≒求められる

要は、スタートアップは「最初に出資を受けるため、M&AやIPOなどのエグジットを目指して、急成長が求められる会社」ということです。

なぜスタートアップ(拡大)を選択したのか

僕がCEOとして働く株式会社ブイクックはまさにスタートアップとして、出資を受けて赤字を掘りながら事業開発をしている最中です。まだまだアーリーステージですが、もりもり頑張っているところ。

しかし創業から約1年間(2021年2月まで)は、webメディア運営、コワーキングスペースのコミュニティマネージャーなど、受託案件を受けながら生き延びてきました。簡単なブイクック史は以下の通りです。

  • 2018年11月 NPO法人設立
  • 2019年7月 NPOで「ブイクック」の提供開始
  • 2020年4月 株式会社設立しサービス引き継ぎ
  • 2021年2月 talikiファンド等から2,500万円の資金調達
  • 2022年9月 二度目の資金調達

株式会社創業から半年くらいは「このまま受託を受けながら、自社のサービスを続けていければいいか」程度に考えていました。しかし、そこからスタートアップ(≒拡大/急成長させること)を選択し、資金調達して正社員を雇用していきます。

それには2つの理由がありました。

①拡大による「雇用」がヴィーガン生きやすさに直結するため

まだ大学に在籍しながらプロダクトづくりをしていた頃、手伝ってくれていた同期のヴィーガンの友人が大手メーカーの面接を受けている際に「良い会社だと思うけど、製品に動物性が入っていることに違和感がある」と伝えてくれたことがあります。

友人の価値観にバチっと合うヴィーガン企業は当時存在せず、その企業に就職することになりましたが、僕は「人生の多くの時間を費やす”仕事”が価値観に沿っていなければ、ヴィーガンが生きやすい社会とは到底言えない」と強く感じました。

その時、自分の会社が何百、何千人を雇用できるヴィーガン企業になれば、ヴィーガンが暮らしやすい社会に直結すると確信し、「拡大すること」を選択しない理由がなくなりました。

つまり、拡大によるヴィーガン企業の雇用の増加は、Missionである「誰もがヴィーガン選択できるHello Vegan!な社会をつくる」ことと同義です。

②次の社会課題を解決できる個人の力(資産や能力)を得るため

また、工藤個人の人生として、株式会社ブイクックで「ヴィーガンというより良い消費活動のハードルを下げること」に取り組んだあとは、また違う社会課題の解決に取り組みたいと考えています。

貧困や教育、環境問題、差別など、社会には課題(歪み)が溢れているので、死ぬまでにやることがてんこ盛りです。

僕の人生で社会に与えるインパクトを最大にするためには、1周目である株式会社での数十年を通じて、個人の力を最大限獲得することが必要です。つまり、高い能力・多くの資産を得るために、会社を拡大させることは最適です。

実際に、拡大を目指すことで資金調達したお金をもとに、正社員/業務委託を採用できたり、初期費用がかかるEC事業に挑戦できたりしています。特に、人生の早い段階で組織課題に向き合えていることは本当に貴重な経験だと感じています。(僕が一人でできることなど知れているため)

課題解決の過程で生まれる課題に目を瞑らないこと

ここまで、拡大性の良さについて書いてきましたが、もちろんデメリットも存在します。1つの社会課題を解決する過程で、また新しい社会課題を生まれたりするものです。

例えば、ブイクックスーパー(EC事業)が拡大する中でプラスチックゴミが増えてしまったり、ブイクック(レシピ事業)が拡大することでサーバーが消費するエネルギーが増加したり、そういったトレードオフが発生してしまうかもしれません。
※実際は簡易包装を心がけたり、牛肉レシピなどを作るより使用エネルギーは削減できたりしています。

これの犠牲に対して目を瞑らずに向き合う姿勢を失わないようにしたいです。

「ヴィーガン商品を届けるために、プラゴミが出るのは仕方ないよね」「主婦層がターゲットだから、家庭での料理の役割をこれからも担ってもらおう」などと言わないように、1つの課題を解決していることが、他の問題を発生/促進しても良い理由にはならないと胸に刻む必要があります。

僕たちが目指すのは、より良い社会であり、平和な世界です。課題解決の過程で生まれる課題に目を瞑らず、会社を成長させていきたいことをここに記録しておきます。

一緒に会社を拡大させ、社会を前進させる仲間を募集しています!

ここまで書いた通り、株式会社ブイクックは、スタートアップとしてヴィーガン業界で拡大させ、より多くの顧客に、より多くの価値を提供していきます。

チャレンジしたら、次の日には別のチャレンジがあるという環境で、一緒に楽しみながら社会を前に進める方を募集中です!

ぜひ採用ページご覧いただき、少しも興味持っていただければ、まずは気軽にカジュアル面談でお話しできればなと思っています。

👉 採用情報|株式会社ブイクック

それでは!

Let’s share!

✏️ 書いている人

工藤 柊 / Kudo Shu

1999年2月28日大阪生まれ。高校3年生で環境問題・動物倫理からヴィーガン生活を開始。神戸大学国際人間科学部環境共生学科に入学後、学食へヴィーガンメニュー導入、ヴィーガンカフェThallo店長など活動。学生起業しNPO法人設立後、事業拡大のため2020年4月に株式会社ブイクックを創業。夢は世界平和。趣味は恋バナと漫画・アニメ。

他の記事を探す(全ての記事)

🔍キーワードから検索する