おはようございます。工藤柊です。
最近、ブイクック社のCulture / VALUESを言語化して、浸透施策をいくつかスタートさせました。ここでは、「どのようにカルチャー/バリューを言語化したのか」「どのようにカルチャー/バリューを浸透させようとしているのか」について記録していきたいと思います。
僕たちと同じようなフェーズのスタートアップや組織が、カルチャーやバリューを言語化する際の一次例として参考になれば幸いです。また、「ブイクックが気になってる…!」という人に、少しでも働くイメージをしてもらえると最高です。
読んで欲しい人
- カルチャー言語化したいスタートアップ(1,2年目)
- ブイクック社での仕事に興味がある
- ブイクックメンバーとして既に参加している
前提:ブイクック社の状況
- 会社規模:社員4名(工藤含む)、業務委託20名
- 製品段階:目指せPMF!(プロダクト有り)
- 採用募集:めちゃめちゃに募集中。頑張りたい!
Table of Contents
Culture / 4VALUES
最初に、ブイクックのCulture ver1.1と4VALUES ver2.0を紹介します。
Cultureを「英語一言 + 日本語文章」で、以下の3つに言語化しました。
- plus ultra:もがきながらも前進する
- with joy:面白がりながら仕事をする
- Gentleness:真心を持って向き合う
4VALUESは、「行動指針 + 説明文 + Do&Don’t」の形で、”何をするか”に加えて、”何をしないか”を明確に提示しました。
- 世に出して検証する:頭の中や机上で考え尽くすよりも、世に出す方が10倍の発見がある
- Do:仮説が立ったら、まずヒアリング/MVPリリースし検証する。
- Dont’s:考え得る選択肢を全て書き出す。パソコンと睨めっこ。
- 先人の知恵を借りる:ガムシャラな自己流よりも、先人の知恵を借りた方が10倍速い
- Do:まず他社事例をリサーチする。定石を知った上でアレンジ。
- Dont’s:0から自分で考える。思いついたアイデアで勝負する。
- 対話を諦めない:ご機嫌伺って黙るより、主張をぶつけ合った方が10倍良くなる
- Do:違和感はすぐに伝える。納得するまで疑問点を質問する。
- Dont’s:「最初から思ってた」発言。小さな疑問と判断し、流す。
- 頼り合う:一人で全部やるより、チームで協力した方が10倍のコトを成せる
- Do:苦手や弱みを共有する。悩まず素直にお願いしてみる。
- Dont’s:気を遣って全部一人でやる。お願いされた時に渋る。
なぜCulture/4VALUESを作ったのか?
Culture、4VALUESを作ったのは、これからの更なる事業拡大にあたり、採用を強化するためです。これまで明確なカルチャー/バリューが言語化しておらず、採用にあたり2つの足枷になっていました。
①カルチャーフィットの判断
これまで、エントリーしてくださった方には、面談やトライアルなどの流れで、インパクト評価という評価制度をもとに”能力”しか判断できておらず、ブイクックの”カルチャー”にフィットするかを判断できていなかった。
②カルチャーフィットする人の応募数
これまで、「ミッション」「事業」に共感してエントリーしてくれる方は多くいましたが、「働き方」「組織」に魅力を感じてエントリーしてくれる人は少なかった。そもそも発信できていなかった。
これらを解決するために、ブイクックカルチャーを言語化し、それを発信する体制をつくることを目標にプロジェクトをスタートさせました。
なぜCultureとVALUESを分けたのか?
余談ですが、CultureとVALUESを分けた理由も一応記載しておこうと思います。まず、ブイクックではそれぞれを以下のように定義しています。
- Culture
- 根底にある価値観。
- 何が好きか/何が嫌いかなどの人間性のため、基本的に変化しない部分。
- 採用時にフィットするかを見極め、お互いに不幸がないようにする。
- 使用例:<culture>な人が、ブイクックで楽しく働けます!
- VALUES
- 日々の行動指針。
- 後天的なもののため、努力で身につけることができる。
- グレード更新時の観点、PJ内の意思決定の軸などに使用する。
- 使用例:ABCのアイデアの中から、<value>を大切にするならAを選ぼう!
つまり、Cultureは好き嫌いが合う人が集まってくるために存在し、VALUESは事業・組織が成長するための行動を促進するために存在しています。
このように用途が違うため、一色譚にせずに分けて作成しました。シャーペンは筆箱に、筆は書道セットに入れておくのと同じような感じです。
どうやって言語化したか?
Vision、Mission、Valueの重要性はよく耳にするし、みんなで考えるのは楽しいですが、せっかく作っても運用されずに「バリューって何だっけ?」という状況になりがちだと思います。(去年の僕たち)
そこで、今回のプロジェクトでは、本当に目的である「採用」につながるアウトプットにするために、他社事例などをリサーチしながら進めていきました。その際、公開してくださっている先輩方に大感謝したので、ブイクック社の事例もここで公開しておこうと思います。
大きな流れとしては、5ステップです。
- カルチャー言語化の方法をリサーチ
- フレームワークに沿って自分で作成
- チームで軽いワークショップ×2
- 言語化して全体に共有
- カルチャー浸透施策を実施 ←イマココ
それぞれ具体的に書いていきたいと思います。
①カルチャー言語化の方法をリサーチ
まずは、どんな他社カルチャーがあるのか、どのようにカルチャーを言語化したのかについて、ググったり、本読んだり、先輩方に相談したりしました。
noteや記事などを見ていき、結果として『カルチャーモデル』という本に行きつきました。とりあえず本を購入し、そこに書いているカルチャーづくりのフローに沿って進めていくことにしました。
よく見ていたカルチャー事例
- 株式会社10X – Culture Deck
- 株式会社メルカリ Culture Doc
- Netflix culture deck
- 株式会社alma CULTURE BOOK
- Ubie Discovery 採用資料
カルチャー言語化にあたり勉強になった記事/本
- カルチャーモデル(書籍)
- GAFAやNetflixを成功に導いた「カルチャー」はどう作られたか?(記事)
- カルチャーを作り上げる5つのステップ――最高の企業文化を作るカルチャーモデル論vol.3(記事)
- 10X Valuesをアップデートしました(記事)
②フレームワークに沿って自分で作成
カルチャーモデルに書いている、以下の5ステップに沿って進めていきました。(「2.ミッション・ビジョンを設定する」については、既にできていたので今回は飛ばしました)
- 現状のカルチャーを棚卸する
ミッション・ビジョンを設定する- カルチャーの方向性を決める
- カルチャーを言語化する
- カルチャーを浸透させる
簡単な内容は、「カルチャーを作り上げる5つのステップ――最高の企業文化を作るカルチャーモデル論vol.3」でも十分見られるので、ご覧ください。
1. 現状のカルチャーを棚卸する
3. カルチャーの方向性を決める
③チームで軽いワークショップ×2
ブイクック社は現在リードメンバーとスペシャリストメンバーという役割分担をしていて、今のリードメンバー3名(工藤含む)が実質的に経営メンバーの状態です。
そのため、「全員リーダー経営」を体現するためにも、工藤が一人ではなくチームで作り上げるプロセスを経るため、毎週の定期ミーティング(All mtg)にて60min程度のワークショップを二度実施しました。
1回目:VALUESのアイデア発散
それぞれのメンバーに事前準備として、これまでの1年間(2021年4月から社員が増えた)での失敗や学びを書いてきてもらいました。
実はVALUESは、2020年から一応作ってはいたものの、あまり浸透も運用もされていなかったため、今回は「教訓としてのVALUES」を意識して進めることにしました。
あっという間に時間が経ってしまい、アイデアブレストと簡単なグルーピングでワークショップは一旦終了。その後、工藤がグループタイトルを付けたり、分類分けたりして、2度目のワークショップに臨みます。
2回目:言語化し確定
二度目のワークショップのアジェンダはこんな感じでやりました。
- バリューver2決定
- 優先順位つける
- 言語化してver1.0決定
- カルチャーver1決定
- 事前準備でカルチャー案準備
- 優先順位つける
- 言語化して決定
VALUESの言語化
Culture ver1.0の言語化
カルチャーは、主に採用の際に使う予定なので、それをイメージできるようメッセージドリブンでアイデアを発散していきました。(alma社の皆さんがやってたのを真似しました!)
事前に準備したして共有した内容例がこちら。
そこから、優先順位をつけ、バッチリくる言語化をして完成!
Plus Ultraはヒロアカから、with joyはムハマド・ユヌス氏のソーシャルビジネス7原則の7つ目から引用しました。お気に入り。
(最初はHonestyでしたが、後日ミーティングで改めて案だしし、日々使いやすいGentlenessに変更しました!)
④言語化して全体に共有
上記のプロセスで、Culture/VALUESが決まったので、それをさらに分かりやすくするため、画像1枚にまとめてデザインしました。
特にVALUESに関しては、日々のプロジェクトでの意思決定に使用するべきものなので、「何をすべきか」「何をすべきでないか」を明確にしました。
- Doだけではなく、「うっ…心当たりがある…」となるようなDon’tを加える
- 「〇〇よりも、〇〇の方が10倍良い」という比較表現を加える
どのようにカルチャーを浸透させるか?
ここまでで、Culture/4VALUESを言語化できました。が、ここで終わっては、浸透しなかった2年前の二の舞。
『カルチャーモデル』の中では5Aというマーケティングのフレームワークに沿って、メンバーがカルチャーを認知し、行動し、推奨するまでを設計する事例が書かれていました。
それに沿って、1週間前から浸透施策を進めているので、ここでは具体例をいくつか紹介しておきます。
🪵Slackスタンプ+ログチャンネル
まずは、よくある施策ですがSlackのスタンプに導入してみました。このスタンプに加えて、[Reacji]というプラグインを使って、VALUESスタンプを押された投稿のログが取れるチャンネルを作ってみました。
Slackへの連携方法はSlack「リアク字チャネラー」の使い方と設定方法の記事が分かりやすかったので、見てみてください!
📚本棚のタイトル
よくミーティングルームの名前をバリューにする話を聞きますが、まだブイクックオフィスにはミーティングルームが1つしかないため、他にも名付けられるところを探していました。
そこで、これまでんと名付けていた本棚を、「先人の知恵を借りる」というVALUEに由来した「#99_先人の部屋」とタイトル付けしました。
月一のグレード更新の観点に追加
毎月行っているグレード更新という、自己・他者評価(コーチングに近い)の時間に、観点として4VALUESを追加しました。
今月末のグレード更新から、VALUESの発揮度合いも振り返ることで、毎月意識でき具体的なアクションまで繋げることを狙っています。
毎週All mtgに「今週のNice VALUES Case!」を追加
毎週のAll mtgの最初に「今週のNice VALUES Case」というプチアジェンダとして、直近1週間でVALUESを発揮した事例を褒め合うという時間を追加してみました。
みんなで褒め合うというハッピーな時間で、個人的にこれが一番やってよかったなと思いました。VALUESに沿った行動に対して、成功体験を積めるのも良いです。
最後に
最後まで読んでくださりありがとうございます。
あくまで、ブイクック社でのカルチャー・バリューをつくった話として、一事例として活用していただけると幸いです。作成する方法や定義なども、それぞれの組織に浸透しやすく、最も日々の行動やカルチャーフィットする人の採用につながれば何でもありだと思います。
また、紹介した「カルチャーにフィットする!」という方とぜひとも一緒に働きたいと思っているので、興味を持ってくださった方は、気軽にDMやMeetyなどでご連絡ください!ぜひ一度カジュアルにお話ししましょう🙆♂️
👉 採用情報|株式会社ブイクック
カジュアル面談(Meety)
感想やフィードバック、質問などあれば、TwitterやInstagramなどでDMください。
それでは!
ブイクックは、社会を前進させる強くて優しい仲間を大募集中です!