こんにちは。工藤(@itllbedark)です。
今回は培養肉はヴィーガンなのか?というテーマを皆さんと考えていきたいと思います。
皆さん、培養肉はご存知でしょうか?
培養肉(クリーンミート)とは、一言で表すと「試験管の中で生産されたお肉」です。豚や牛、鶏などのいわゆる家畜動物の細胞から培養し、動物を飼育することなくお肉を生産することができます。
そしてこの培養肉が、動物を利用・搾取することを避けるライフスタイルであるヴィーガンかどうかを、この記事では考えていきたいと思います。
アンケート結果
この記事を書くにあたって、ツイッターでアンケートを取り224人から回答をいただきました。
その結果がこちらです。
「培養肉はヴィーガンか?」
という題でブログ書こうと思ってるんですが、皆さんのご意見をまず伺いたい。もしも、培養肉がヴィーガンであるとなった場合の未来と、そうでない未来によって僕の身の振り方も、日本ヴィーガンコミュニティの方向性も大きく変わると思います。
— 工藤柊(19)ヴィーガン初心者の味方 (@itllbedark) 2019年2月10日
結果は
25%が「培養肉はヴィーガンだ」
41%が「培養肉はヴィーガンでない」
ということになりました。
培養肉はヴィーガンでないという意見が多いですが、一方でヴィーガンだという回答も少なくありません。
では、具体的なコメントを見てみたいと思います。
培養肉は動物から肉幹細胞や筋細胞を採取してそれを培養して作られるので、定義上ではヴィーガンではないと思います。
でも犠牲になる動物の数や環境への影響、一般のお肉に含まれる細菌、抗生物質、ホルモン、添加物などを考えると、お肉は食べ続けたい方々への良い代替品になるのではないかなと🌱— Yuka@地球に優しくなる勉強中🌏 (@yuka_yamyams) 2019年2月10日
さすがYukaさん(@yuka_yamyams)です。この記事の要約のようなリプをいただいてしまいました。ですが、気にせず筆を進めていきます。
培養肉(クリーンミート)とは
そもそも、培養肉とはなんなのでしょうか。
通常のスーパーで売られているようなお肉は、牛や豚や鶏などの家畜動物を繁殖させて肥育して、屠殺して得られます。一方で培養肉は食べられる部分の細胞を元に、人工的に培養することで得られるお肉です。
つまり、培養肉は生産するために従来の工場畜産のように肥育し屠殺することがありません。こういった理由で、動物や環境という観点から通常のお肉に比べて倫理的なものだと言えます。
さらに、通常のお肉に含まれるホルモン剤や抗生物質などが必要ないことから、健康面でも良いとも言えます。
このようなメリットのある培養肉ですが、日本で話題になりつつあるのは最近のことです。しかしイギリスのロンドンでは2013年には既に、世界初の培養肉のバーガーの試食会が開催されていたそうです。
東洋経済ONLINEの記事で培養肉が紹介されていたので、一部を引用します。
カルチャード・ビーフは理論上、数個の幹細胞から1万~5万トンの肉が得られるという。適切な栄養を与えることで、細胞が健康的な脂肪酸を作り出す能力を利用すれば、培養肉は家畜から得た肉よりヘルシーなものとなる。幹細胞から培養した牛肉はエネルギー効率が高く、環境、大地、水への負荷が少なく、動物の苦痛も少ない。そして、動物の殺生を嫌う一部のベジタリアンからも好反応のようだ。
東洋経済ONLINE:ヤバすぎる!「培養肉ハンバーグ」の衝撃 より
このように、既に開発は進んでいるようです。実際にスーパーのお肉コーナーに培養肉が並ぶ風景を見るのも、遠い未来ではないのかもしれません。
培養肉はヴィーガンか
さて、本題に戻ります。
培養肉は、ヴィーガンなのでしょうか?
結論、ヴィーガンではないと言えます。
ヴィーガンとは、ヴィーガニズム(veganism)という主義を実践する人やライフスタイル、商品などを指します。ヴィーガニズムとは「動物を利用・搾取するべきではないという主義」です。
つまり、培養肉は動物を利用しているためヴィーガンには当てはまらないということです。
これについて、ヴィーガンの翻訳家である井上太一さん(@OohimeSoukyok)がご自身のホームページにて詳細に解説してくださっているので、深く関心を持つ方はぜひ参考にしてください。
ここでは、培養肉がヴィーガンでない2つの理由を簡潔に紹介します。
動物の細胞を利用する
培養肉の普及によって、動物の犠牲量が減るのは間違いないと思います。しかし、家畜動物の細胞を元に培養する以上、動物の細胞が生産するためには必要となります。
つまり、生産するために犠牲となる動物は完全に0とはならず、少なからず動物の細胞とその命を利用・搾取される動物が存在します。
これが1つめの「動物の細胞を利用する」という理由です。
培養液に動物を利用する
また細胞のみではなく、培養するために必要な培養液も動物性のものが使われています。
従来の方法では、ウシ胎児血清が使われています。ウシ胎児血清は高価であり、これそのものも動物から得られるものです。
THE BRIDGE:手頃な値段で販売できる人工培養肉を開発・研究するバイオハッカー集団「Shojinmeat Project」より
このように、培養液を作るためにもウシ胎児血清、つまり牛の胎児の血液が利用されています。
これが2つめの理由である「培養液に動物を利用する」です。
これら「動物の細胞の利用すること」と「培養液に動物を利用すること」から、ヴィーガンの定義から外れるという結論になりました。
培養肉の可能性とヴィーガンとしての立場
培養肉がヴィーガンではないと言っても、今後10年で普及する可能性は非常に高いと言えます。
ホルモン剤や抗生物質が含まれていないため通常のお肉よりもリスクが低く、環境負荷や動物への配慮が比較的されており、何より生産コストが下がり価格が通常のお肉よりも安くなる。そんな未来が目の前に迫っており、一般市民の食卓に並ぶことになるでしょう。
その時に僕たちヴィーガンが、どのような立場を取るのかを今のうちに考えておいた方がいいでしょう。
もちろん、動物の犠牲や苦しみが減ることは望ましいことです。培養肉の普及は、動物の犠牲を減らし、環境負荷も軽くし、体にもよい、良い手段になるかもしれません。
しかし、それは根本的な解決にはならないと僕は考えています。
動物を搾取・利用することを、人々の意識のレベルから変化させなければ、この問題は解決しません。むしろ、「培養肉はエシカルである」という自らが動物を利用することを正当化する言い分になる可能性もあるでしょう。
人間と同じように、痛みや苦しみを感じる動物が不条理にも搾取されるという構造を改善するために、今後も活動を続けていきたいと、今回の記事を書いて改めて感じることができました。
しかしながら、より良いものを選択する、つまり通常の食肉ではなく培養肉を選択することは悪いことだとは思いません。むしろ、その行動はとても良いことだと思います。
今よりもより良い選択を、そして更により良い選択をし続けることで、より良い社会となっていくでしょう。
長々とここまで書いてきましたが、まとめるとこんな感じですね。
では、最後まで読んでいただきありがとうございました。
普段はツイッターをメインにヴィーガンの情報発信をしているのでぜひフォローください!