【元店長が語る】ヴィーガンカフェ経営の4つの課題・注意点
こんにちは。工藤(@itllbedark)です。
今日は、ヴィーガンカフェの4つの課題についてお話したいと思います。
実は、2018年の春から夏にかけて、神戸にあるヴィーガンカフェの店長を任されていました。
そんな僕が感じた課題と対策を紹介します。
これからヴィーガンの飲食店を開きたい人や、既にカフェやレストランを経営されている人は、役に立つ情報だと思うのでぜひご覧ください。
店長の仕事内容
そもそも飲食店の店長はどんな仕事をするのかということからお話します。
僕自身、店長を務めるに当たって勉強をしてから入り、勤めていた期間も毎日が学びの連続でした。
店長の仕事を一言で表すと
経費を下げ、売上を上げること
と言えます。
もう少し詳細に分けると3つほど。
会計
まずは会計です。つまりお金のことです。
飲食店を経営すると言うことは、もちろんお金のやりとりになります。
人件費、材料費、場所代、水道光熱費などの経費を全て把握し、できる限り抑えることが一つ。
そして、来店してくださるお客さんがメニューを選んで支払ってくれる売上を可能なだけ上げることが必要になります。
そのために、まずは売上や利益の目標、商品価格から材料費を引いた粗利の目標を設定。そして、それに合わせて経費の削減や集客、価格設定を行うこと。
これがひとつめの仕事です。
食材・備品
次に、料理を提供するのが飲食店なので、使用する食材やお皿などの備品についてです。
これは、「どんな食材」を「どこから購入するか」だけではなく、「どれくらい購入するか」が大切です。
飲食店にとって、食材を切らすことはお客さんに料理が提供できずに売上が上がらず、食材を買いすぎると余ってしまって経費がかさむことになります。
毎月どれほどのお客さんが来店し、どのようなメニューを注文するかを把握して、それに合わせた量を購入することが必要です。
できれば、曜日や季節などの傾向も把握しておくのがベストです。
従業員の管理
個人、もしくは夫婦などで小さくお店をやられている場合を除いて、大抵の飲食店では従業員を雇用しています。
従業員に支払う給与は、飲食店側からすれば経費となります。つまり、従業員を雇用することで、従業員に支払う経費以上の売上を上げなければいけないということです。
飲食店での業務は、接客やレジを担当するホールスタッフと調理するキッチンスタッフに大きく分けられます。
スタッフが十分に仕事ができるようになるまで教育し、最も力を発揮できる役割を与えること。そして、季節、曜日、時間に合わせた従業員のシフト管理を行うことが店長の3つ目の仕事です。
マニュアルを作ったりシフトを組んだりなど、大変な作業ですが、お客さんにとってお店で接するスタッフはお店の顔になるのでとても大切な仕事です。
ヴィーガンカフェの課題
ここまで、飲食店経営について書いてきましたが、ここからが本題です。
ヴィーガンカフェの課題についてです。
一言で店長と言っても、料理を作って提供する以上の仕事を行わなければいけないことはここまで読んで下さった方はわかったと思います。
ただでさえ大変な飲食店経営ですが、ヴィーガンカフェとなるとヴィーガンカフェならではの乗り越えるべき課題があります。
ここからは、主な4つの課題について書いていきます。
客層が薄い
まず一つ目の課題は、客層が薄いことです。
つまり、日本でヴィーガン食を求めるヴィーガンやベジタリアンの人口が少なく、それに比例して来店数も少なくなります。
“ヴィーガンカフェ” と他のカフェと差別化するのは良いですが、その結果ヴィーガンを実践する人が来店する見込みは大きくはありません。
反対に、ヴィーガンではない客層を失ってしまうというデメリットもあります。
認知度が低い
二つ目の課題は、お店を始めて数年は認知度が低いということです。
これは当たり前のことのようですが、すごく大きな課題です。
まず、開店したからといってお客さんがくる訳ではないので、お店の存在を知ってもらうことが第一にすることです。「お店を知ってもらう」の後に「お店に来てもらう」があります。
ですが、この認知度を高める段階に多くの時間と労力がかかります。2、3年が経ち、認知度も高くなってお客さんが増えてくるところまでお店を継続することが難しいところです。
単価が高い
多くのヴィーガンカフェの場合、食材や調味料へこだわりもあり、一般の飲食店よりも料理の価格が高くなります。
価格が高くなることは仕方ないですし、お店を継続していく上で適切な価格設定をすることは必要です。
問題は、その価格をお客さんが納得しているかどうか。納得させることができるかどうか、です。
マクドナルドだったら数百円で食べられるハンバーガーが、ヴィーガンのお店では1000円以上することもあります。もちろん、食材や調理過程が全く違うのでその価格になることは当然ですが、お客さんにとっては関係ありません。
なので、それだけの価格がする価値があることを伝える努力と、価格以上の美味しさや感動を与える努力をする必要があります。
リピート顧客が少ない
最後の課題は、再来店(リピート)してくれるお客さんが少ないことです。
ヴィーガンカフェに好んで来てくれる人は、もちろんヴィーガンの方が多いのです。しかし、ヴィーガンの人口は少なく、お店の周りにまとまって住んでいるということは珍しいです。東京や京都などの一部の地域を除いては。
数ヶ月に一度来店するヴィーガンの方も大切です。しかしそれ以上に、お店の経営的には月に何度も来てくれる近所の人を大切にしなくてはならないです。
なので、お店の近所に住む方を集客し、ヴィーガンでない人が「もう一度来たい」と思えるような料理やサービス、そして「もう一度行こう」と思えるような制度を作ることが必要です。
以上の4つがヴィーガンカフェの店長をして感じた4つの課題でした。他にも色々な問題や悩みはありましたが、他のお店にも共通するのはこの4つだと思います。
僕がした工夫と施策
最後に、簡単に僕が店長をしていた頃に行った工夫や施策を紹介したいと思います。
何かの参考になれば幸いです。
SNSの利用
ツイッター、フェイスブック、インスタグラムを利用して
①お店の存在を知ってもらうこと
②お店に再来店してもらうきっかけ
を行いました。
ターゲット層によって、ツイッター・インスタ・フェイスブックを使い分けていきましょう。
シェアの仕組み
SNSの利用と同時に、来店してくれたお客さんがシェアしてくれる仕組みを作りましょう。
そうすることで、自分たちが発信しているだけでは届かなかった層にまでお店のことを知ってもらえる機会が作れます。
まずはコストがかからずできる、シェアしてくれた投稿に感謝のコメントをするところから始めてみましょう。
HPの作成
次に、HPの作成です。
実際にお店を選ぶときに、特にヴィーガンの方はお店のHPを見て、本当にヴィーガン対応しているのかを確認します。
ヴィーガンでない人でも、メニューを確認したり、お店のこだわりを知ったりすることで、来店してもらえる確率は高まります。
メニュー表の作成
メニュー表をこだわりましょう。
これによって、課題の3つ目にも書いた、メニューの値段を納得させる為に大きな効果が期待できます。
また、メニュー表を見て食べたくなれば客単価も上がることになります。
食材や調味料、調理過程でどんなこだわりがあるかを精一杯伝えてみましょう。
意外とお客さんは料理を待っている間メニュー表を見るものです。まずは料理の写真を貼るところから始めましょう。

工藤が作ったメニュー表
イベントの企画
次にイベントの企画についてです。
お店の存在を知ってもらうことや、お店に来てもらうきっかけを作る為には、イベントを開催するのがいいと思います。
準備は少し大変ですが、お客さんがまだ少ないお店なら、一定数の客数も担保できるのでメリットばかりです。
LINE@
SNSの利用とは違い、LINE@は一度来てくれた人がもう一度来店してもらう行動に繋げやすいサービスです。
来店してくれたお客さんに、LUNE@を登録するような仕組みを作りましょう。そうすることで、定期的な連絡を確実に登録者に届けることが可能です。
それがきっかけとなり「久しぶりに行こうかな」「このメニュー食べに行こう」と再来店に繋がります。
ポイントカード
これもLINE@と同じように、リピートしてもらう為の工夫です。
よくあるポイントカードの形は、来店数や購入金額によってポイントが貯めるようにします。それが一定数貯まれば商品やクーポンになります。
以上が、ヴィーガンカフェの課題と、僕が行った工夫と施策についてでした。
役に立つ情報があれば幸いです。
今回紹介したものは神戸で経営するカフェの場合で、京都や東京ではまた違う戦略(訪日外国人をターゲットにするなど)があると思います。
地域によらず、料理教室をしたり場所貸しをするなら、売上のポイントをいくつか作るのも一つです。
サポートします!
最後に、ヴィーガンを実践しやすい社会を実現を目指して、僕は活動しています。
そんな社会に近づけるためには、ヴィーガンカフェがもっと増えることは重要なことだと思っています。
志を持って、飲食店をこらから始める方、既に経営されている方のサポートをしたいと考えています。
僕にサポートできることや、ご相談があれば連絡ください。
サポートできること
・HPの作成
・SNSの運用
・メニュー表作成
・イベント企画/運営
・利益/売上/経費目標設計
関西を拠点に活動しているので近い方が便利ですが、まずは気軽にご相談してください。
では、今日はこの辺で。